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コンタクトレンズを安全に使用するために
コンタクトレンズによる合併症には失明するようなケースもあります。合併症を防ぐためにはコンタクトレンズの適正使用と眼科医による定期検査が重要となります。
日本コンタクトレンズ学会ホームページ
「多発するコンタクトレンズによる深刻な合併症」について
http://www.clgakkai.jp/general/consensus04-1.html
2週間使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズは適正な使用方法により合併症は軽減されますが、使用中のコンタクトレンズ保存用ケースには高い割合で多数の細菌が付着していることが報告されています。レンズケースや保存液のボトルを定期的に新しいものと交換するほうが良いでしょう。
最近は2週間使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズ用のポピドンヨード液含む洗浄液が発売されています。ポピドンヨードは手術前の手洗いにも用いるもので、コンタクトレンズによる眼感染症で問題となっているアカントアメーバや緑膿菌に対しても効果を発揮します。ポピドンヨードを使用することで、より安全なケアが出来ると思います。
コンタクトレンズだけを購入して検査をしないということは何があっても自己責任ですが、眼の安全を第一に考える眼科医としては大反対です。
一般的には3か月に一度、定期検査を受けることが望ましいとされています。当院では定期検査を長期間受けない方にコンタクトレンズの販売は行いません。使用方法を遵守し定期検査を必ず受けてください。
最近の話題
現在のコンタクトレンズの主流は以下の二者択一となりつつあります。
- ハードコンタクトレンズ
- 使い捨てソフトコンタクトレンズ
使い捨てソフトコンタクトレンズでは、従来の素材より乾燥感が少なく酸素透過性の高いシリコンハイドロゲルレンズが注目を浴びています。
特に一日使い捨てタイプでも各社から乾燥感やアレルギーに有効なレンズが発売されています。
もちろんそういった優れたレンズを正しく使用していても、人によっては合併症やトラブルの起こる可能性があるため眼科への定期受診は必要です。
眼科医としては眼の安全を考えるとコストは高くなりますが、ケアの心配のいらない一日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズをおススメします。
また古いコンタクトレンズを我慢して使用するより、状況に応じて新しいコンタクトレンズを早めに使う方が、アレルギーや感染症のリスクを軽減させることが期待出来ます。
ソフトコンタクトレンズだけでなくハードコンタクトレンズでも早めに切り替えることの出来るメニコン社の定額制コンタクトレンズプラン「メルスプラン」も選択肢の一つです。詳細は以下のリンクをご参照ください。
http://www.menicon.co.jp/mels/index.html
(2021年3月追記)近視の子供には夜間にコンタクトレンズを使用して30-40%の近視進行抑制と日中裸眼視力を向上させるオルソケラトロジーも注目されています。適応(中等度近視まで、円錐角膜でないことなど)があり自費診療となりますが、当院でも積極的に取り組んでいます。